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コーヒー豆の種類「アラビカ種」

コーヒー豆 

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ブラジル、コロンビア、モカ、ガテマラ、マンデリン・・・
現在、生産されているコーヒー豆の56.7%が「アラビカ種」と言われています。
 
数世紀に渡る長い歴史の中で、アラビカ種では突然変異や交配によって、
栽培がしやすいものや風味が素晴らしいものなど、様々な品種が誕生しました。
現在では200 以上あると言われています。
 
原産地は、アフリカのエチオピア
標高1,000~2,000mの高地で栽培されるため、収穫時には多大な労力を要します。
病害虫や気温の影響も非常に受けやすく、デリケートで栽培が難しい品種です。
発芽から収穫出来るまで5~6年かかり、
大体30年位で経済的な収穫は出来なくなるとも言われています。
 
但し、他の品種には真似出来ない、
花のような甘い香り(フローラル)、酸味があります。
そして焙煎によって酸味が和らぎ、「香り」「苦味」「甘味」が引き出されます。
この奥深い豊かな味わいこそが、世界の大半で栽培され、愛飲され続けている
一番の理由ではないでしょうか。
 スペシャルティコーヒーの全てがアラビカ種です。
 
 
同じ「アラビカ種」と言っても、
その下の亜種が違えば味、香りは微妙に違ってきます。
「アラビカ種」には、原種の他、突然変異や交配によって様々な栽培品種があります。
 

アラビカ種の代表的な品種

 
・ティピカ(Typica)
アラビカ種の中でも最も原種に近いと言われる、最古の栽培品種。
長細い形をしています。爽やかな酸、繊細な香り、マイルドな味わいが特徴です。
さび病に弱く、生産量は少ないのですが、比較的多くの杭で栽培されています。
 
・ブルボン(Bourbon
ティピカの突然変異種。
ブルボン島(現・レユニオン島)に移植された木を起源とする、
「ティピカ」と並ぶ原種に近い古い品種です。
ティピカよりは小粒で、ふくよかな甘い味があり、バランスがいい。
ほとんどの国で栽培されています。
 
ゲイシャ(Geisha)
1931年にエチオピアで発見され、1960年頃中南米に伝わりました。
個性が際立ち、複雑で繊細な味わいが特徴です。
2004年にパナマエスメラルダ農園のゲイシャが史上最高値を付けるなど、
スペシャルティコーヒーの世界でも注目を集めています。
 

・カトゥーラ(Caturra)

ブラジルで発見されたブルボンの突然変異種です。
ブルボンやティピカよりも耐性は強い。樹高の低い木で、葉は大きい。
軽やかな甘さとライトな味わいが特徴です。
グアテマラコスタリカなど中南米で多く栽培されている。
 
・パカマラ(Pacamara)
ブルボンの突然変異種の「パカス」とティピカの突然変異種の「マラゴジッペ」の
人口交配種。
エルサルバドルグアテマラで栽培されています。
粒は大きいが、生産量はそれほど多くはありません。キレイなフレーバーが特徴。
 
・SL28
20世紀初頭、英国の植民地であったケニアに設立された
「スコット農業研究所 (Scott Agricultural Laboratories)」が
選別による品種改良を経て生まれたコーヒーに当研究所の頭文字を取って
「SL」というコードが付けられました。
ケニアなどで多く栽培されています。
 
 
 
最近では、コロンビアの「カスティージョ」、コロンビア品種、
ブラジルの「IBC12」などの「ハイブリッド種」も増えてきています。
「ハイブリッド種」は、人工的にアラビカとカネフォラを掛け合わせたもので、
商業上はアラビカとして取り扱われています。
 
ハイブリッド種は味が悪いという話もありますが、一概には言えません。
「品種は○○が良い、▲▲はダメ」という話も聞かれますが、
大まかには当てはまっても、全て当てはまる訳ではないようです。
ハイブリッドでも品評会で上位を受賞することも多々あり、一概には言えません。
品種と土壌・気候との相性あり、品種や標高だけでなく、世話の仕方、肥料のやり方、
収穫の丁寧さ、生産処理の技術など、様々な要素もあって、
コーヒー生豆の品質に繋がっていると思われます。