優しいのみもの

「優しい」・・って、私基準です。

デカフェ

インスタントコーヒー

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 デカフェの作り方
 
コーヒーのカフェインはどのようにしてを取り除かれるのでしょうか?

主にデカフェの製造方法に用いられているのは、
焙煎前のコーヒー生豆からカフェインを取り除く「脱カフェイン法」という
製法です。
「脱カフェイン法」は、更に、カフェインを抽出する際に使用する溶媒によって、
に分けられます。
 
 

1.有機溶媒抽出法

1906年に、ドイツで初めて成功した脱カフェイン法が「有機溶媒抽出」です。
「有機溶媒」は、常温常圧の状態で、水に溶けない物質を溶かす、液体の有機化合物のことを指します。
 
まず、蒸気で水分を十分にコーヒー生豆に含ませた後、
そこに有機溶媒を通すことで、水と油のような2層が出来上がります。
カフェインは水には余り溶けないのですが、「有機溶媒」を使うことで、
「有機溶媒」にカフェインが溶け出し、コーヒー豆からカフェインが除去されます。
 
低コストでカフェインを除去出来るのですが、
カフェイン以外の成分や香りが水に溶け出て除去されてしまうので、
通常のコーヒーより風味が劣ると言われています。
 
また、脱カフェイン法で使用される「有機溶媒」は人体への影響があるため、
日本では、「有機溶媒抽出」によるデカフェコーヒーは流通が禁止されています。
 

2.水抽出法

1941年に開発された「水抽出法」は、
カフェイン以外の水溶成分が飽和状態になった水にコーヒー生豆を浸すことで、
カフェインだけを水に溶け出させて、抽出する方法です。
「有機溶媒」を使用しないため、より安全な方法といえるでしょう。
日本では、この方法でカフェインを抽出したコーヒー豆が主に使われており、
安全性に配慮されています。
 
 

3.超臨界二酸化炭素抽出法

気体と液体の間である「超臨界流体」の状態にした二酸化炭素で
成分を抽出する方法です。
 
二酸化炭素に一定以上の圧力と温度を加えることで、
コーヒー生豆への浸透と、カフェインの抽出・除去が効率よく行え、
かつ「有機溶媒」が人体に有害な物質なのに対し、
二酸化炭素は無害なので、安全にカフェインを除去することができます。
 
更に、「水抽出」と比べてコーヒー豆へのダメージが少ないため、
風味を余り損なうことなく、本来のコーヒーに近い味わいを楽しむことができます。
 

4.液体二酸化炭素抽出(液体CO2抽出)

「超臨界二酸化炭素抽出」と同じく、
二酸化炭素を使ってカフェインを抽出する方法です。
両者の大きな違いは、コーヒー豆に加えられる「温度」と「気圧」で、
「液体二酸化炭素抽出法」の方がコーヒー豆にとって優しい方法です。
「液体二酸化炭素抽出法」は、現在では最もコーヒー豆にダメージが少なく、
風味の減少も最小限に留めたデカフェ製法と言えます。


また、カフェインを含まないコーヒーの育種も試みられています。
遺伝子組み換えによるもの、従来からの人工交配によるもの、
どちらも育種に成功しています。
 
また近年、カフェインの含有量が従来の50%程度の天然のコーヒーノキが発見され、
現在商品化されているものもあります。
但し、「カフェインレス」と表記出来るような、
従来と比べてカフェインを90%以上含まないコーヒーノキの育成には課題が多く、
実用化はしていません。