「ヌーボー」はフランス語で「新しいこと」「新しいもの」を表します。
つまり、ボジョレー・ヌーボーとは、「ボジョレー地区の新酒」という意味です。
「ボジョレー・ヌーボー」の解禁日は、
毎年11月の第三木曜日と定められています。
今年2020年の解禁日は「11月19日」になります。
そもそも「ボジョレー・ヌーボー」は
地元の人が収穫祭で楽しむための地酒でした。
それが評判を博したため、
各ワイナリーはどこよりも早く販売しようと
質の良くないワインまで出荷し始めたため、
早出し競争による品質低下を防ぐために、
仏政府は1967年に解禁日を設定したと言われています。
初めはボジョレー地区の新酒が出来上がる時期に合わせ、
11月11日だったのですが、その後、15日に変更されました。
しかし、解禁日を日付で決めてしまうと年によって曜日が変わるため、
流通業者やワインショップ、レストランなどの営業していない
日曜日に当たる場合があります。
そこで、法改正により1985年より、現在の解禁日
「毎年11月の第三木曜日」に定められました。
フランスが誇るブルゴーニュワインの産地の一つである
「ボジョレー地区」は、
パリの東南、ブルゴーニュ地方の最南部にある丘陵地帯です。
この地帯は花崗岩質の土壌で、
黒ブドウの渋みの少ない「ガメイ種」と相性が良いことから、
ボジョレーの赤ワインは「ガメイ種」から造られています。
「ボジョレーヌーボー」は、
ボジョレーで9月頃に収穫された「ガメイ種」のブドウを、
わずか2カ月で若飲み用に仕込んた、
果実風味の強いフレッシュな味わいのワインです。
「ボジョレー・ヌーボー」がこれほど注目されて有名になったのは、
その年のブルゴーニュワインの出来を知る上で良い指標になるからです。
新酒の「ボジョレー・ヌーボー」は、
通常とは異なる醸造法により短期間で造られるため、
ブドウの質がワインの味わいに直結します。
そのため、「ボジョレー・ヌーボー」が美味しいと、
その年のブルゴーニュ地方のワインも期待出来るのです。
「ボジョレー・ヌーボー」は新酒ですから、旬を味わうのが基本です。
そのため、一般的には解禁から数カ月以内で飲むのが、
最もフレッシュな美味しさを味わえるとされています。
また、渋味が少なくフルーティで爽やかな「ボジョレー・ヌーボー」は、
初心者にも美味しく頂けるワインです。
飲み方も通常の赤ワインとは異なり、
少し冷やしたほうが
フレッシュな「ボジョレー・ヌーボー」の魅力が引き立てられます。
飲む1時間くらい前に、冷蔵庫に入れて冷やすのがおススメです。
ボジョレーワイン委員会によると、
2020年のボジョレーは、極めて早い成熟と乾燥した夏による極端なヴィンテージで、十分な成熟度とフレッシュさを兼ね備えたバランスの良い仕上がりになりました。2020年は2003年に次いで最も早い成熟を記録した年であり、"究極のミレジム"と言えるでしょう。2020年は穏やかな冬のお陰で、早くも3月末に萌芽が始まり、4月から5月は気温が高く、乾燥して日照量の多い日が続きました。開花も非常に早く、5月20日前後から始まり、色付きは7月18日前後に始まりました。しかし7月末の猛暑及び8月の10日から20日にかけて、最高気温が非常に高かったことからブドウの日焼け現象が何回か起きましたが、それにも関わらず大半の生産者は完熟し、見た目も美しいブドウを収穫することが出来ました。非常にバランスが取れた、爽やかさのある仕上がり。また、2020年の収穫は、量としては最近の平均からすると少なめという位置付けです。一方、質の点から見ると、非常にバランスが取れた爽やかさのある仕上がりとなっています。最初の段階で試飲したワインはすっきりして飲みやすく、爽やかさと確かな成熟度が感じられます。収穫したブドウのフェノールの熟成がしっかりしていたため、色付きがよく、黒系果実を感じさせるエレガントなアロマが際立つワインに仕上がりました。
ボジョレーワイン委員会によるプレスリリースより抜粋