禅 語(出典『彭沢集』)
夏の雲は空高くに湧き起こり、あたかも奇峰が連なっているように見える。
「奇峰」と言えば、China四川省の中部にそびえる
峨眉山(がびさん)の奇岩を思い浮かべることが出来るが、
そのような珍しい形をした山々の連なりの様に、
夏の入道雲のムクムクと湧き上がっている情景である。
夏の雲の雄大な塊と、奇妙な形をした奇峰とが相俟って
夏独特の風景を作り出している。
それはまた、人生の盛りを映し出しているようでもある。
夏の茶席に好まれる一行である。