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コーヒー生産国「ケニア」

コーヒー生産国(ケニア) 

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近年の「スペシャルティコーヒー」ブームや「サードウェーブコーヒー」ブームと
共に知名度を上げ、日本国内でも取り扱う店が増えました。
 
ケニアは、19世紀末に西欧人により「コーヒーノキ」がもたらされたことで
コーヒー豆栽培が始まったと言われる、比較的歴史の浅いコーヒー豆生産国です。
 
現在、ケニアには約15万人のコーヒー農家、6百万人のコーヒー産業従事者がいると言われていますが、生産量は決して多くはなく、コーヒー産業の輸出額は輸出額全体の5%にも及びません。
しかしケニア産コーヒーの独特な風味と、徹底した品質管理が世界中から評価されており、生産量こそ少ないものの、今やコーヒーを語るには欠かせない存在となっています。
 
標高1700m前後の高原である中部一帯は平均気温10~28℃というコーヒー栽培に適した気候であり、また養分の豊富な赤い火山灰土がコーヒーに独特な風味を生みます。
 
更にケニアは、コーヒー生産者の共同出資により世界で初めてのコーヒー研究機関(コーヒー研究財団)を設立、コーヒーの生産・加工やマーケティングについて研究、
現在でも世界有数の研究機関として評されています。
ケニアではこの研究機関が定める要綱に従って、農園の管理から栽培、加工・精製、カッピング、そして格付けまで、全ての過程においてシステム的に管理しており、これがケニアコーヒーの高い品質と味わいを維持している所以となっています。
また、コーヒーに関する最先端のスキルを提供する「ケニアコーヒーカレッジ」という機関も設置されており、教育段階からコーヒーの品質管理を徹底しています。
 
 

コーヒー豆のグレード

ケニアコーヒーは、コーヒー豆の大きさや形によって、以下の等級に分類されます。
等級 基準
AA 7.2mm以上の大きい豆。
AB 6.8mm以上の豆「A」と6.2mm以上の豆「B」が混ざったもの
C 6.2mm以上の豆「B」より小さい豆
TT 「AA」「AB」など他のグレードの豆のうち、風圧で選り分けられた軽い豆
T 最小・最細の豆。欠点豆
E エレファント。最大サイズの希少な豆で、やや大味
PB ピーベリー。コーヒーの実には種子が2粒あるはずのところが1粒しかない丸豆
 
これらの格付けは競りにかけられる際、生豆の状態から焙煎時、抽出後の品質を加味して更に10段階(1が最も品質の高いコーヒー、10が最も風味の少ないコーヒー)に評価されます。
日本では主に最高級品である「ケニアAA」と、2番目に高品質な「ケニアAB」が取引されています。
 
 

ケニア産コーヒーの特徴

ケニアコーヒーは全体的に風味が豊かで、柑橘系やベリー系を思わせる爽やかで明るい酸味が特徴的です。
柔らかな苦味としっかりとしたコクがとてもバランスの取れた味わいが感じられます。
ケニア独特の風味は深煎りしても消えずに残るため、焙煎度合いによって違った表情を楽しむことが出来ます。
 
 

焙煎による特徴

ケニア、焙煎度によって表情をガラッと変えます。
力強さと甘みのケニア 中煎りくらいまでは強い酸味が主役のコーヒーですが、
中深以上で煎ると強烈な酸味がほどよく抑えられ、うっとりするような芳香、力強い苦味やコク、優しい甘みが前面に出てきます。
そしてアフリカのコーヒーらしい、スパイシーで複雑な味わいを持つコーヒーに生まれ変わります。余韻も後を引き、しばらくの間、幸せな気分に浸れるコーヒーです。
  
浅煎り・・・・柑橘系のような酸味
ハイローストからシティロースト辺りまでの浅~中煎りの場合は、カシスやグレープフルーツのようなシャープな酸味がはっきりと感じられ、後味の爽やかなコーヒーになります。
酸味と上品な風味が特徴的なケニアの魅力をよく引き出せるのはこの辺りの焙煎で、サードウェーブコーヒーでは比較的浅めで淹れることが多いです。
 
中~深煎り・・・力強いコクと甘味
フルシティロースト以上では酸味が程よく抑えられ、苦味とともに力強く上品なコクと甘味が現れてきます。
浅煎りとは違って長めの余韻が感じられ、がらりと雰囲気が変わります。
飲み方は豆の個性を楽しめるブラックがおススメですが、深く煎ればアイスコーヒーにしたり、ミルクと合わせたりしても美味しく飲むことが出来ます。