コーヒー豆
コーヒーには、「from seed to cup」という考え方があります。
「カップの中の風味が素晴らしい美味しさであるためには、
コーヒーの豆(種子)からカップまでの総ての段階において
一貫した体制・工程・品質管理が徹底していることが必須である」という事です。
コーヒーは、「コーヒーベルト」と呼ばれる
赤道を挟んだ北緯25度と南緯25度の間にある約70カ国で生産されています。
その生産は、コーヒー農園でコーヒーの木の栽培と果実の収穫が行われます。
生豆を取り出すコーヒー豆の精製と呼ばれる加工作業までが、
コーヒー農園で行われることが多いようです。
精製された生豆は、選別・等級付けされてから消費国に輸出されます。
その後、粉砕(グラインド)により細かい粉状にされてから、水や湯で抽出されて、
飲用に供されるコーヒーが出来上がります。
1.種まき
コーヒーの種子は、直接畑にはまかず、管理・保護された苗床や苗ポットに播種されます。1カ月半程度で発芽し、40~60cmの高さになったら畑に植え替えます。
2.育成
植え替えた苗木は3~5年程度で成木になります。
コーヒーノキの日照量の調整や防寒などの目的で、「シェードツリー」を植えることもあります。
3.開花
雨季に入り、雨が降るとジャスミンのような芳香を漂わせて、真っ白な花が咲き、その後、花が枯れると緑色の実をつけます。開花は年に1~2度が一般的です。
4.結実
実は6~8か月後、熟して赤くなります。黄色やオレンジ色になる品種もあります。
赤く熟した様子がサクランボに見えるため、この実を「コーヒーチェリー」とも言います。
5.収穫
完熟した実を選んで収穫します。枝によって成熟時期は異なります。
優良農園では丁寧に手摘みされますが、大規模農園では機械で一気に収穫することもあります。
6.生産処理
7.脱穀・選別
1~2か月寝かせてから、脱穀機で生豆を取り出します。
生豆から欠点豆、小石、枝などを取り除き、サイズ別に分けます。
8.カッピング
農園や生産処理場・輸出業者ごとにコーヒーのテイスティングを行います。
実際にコーヒーを淹れて味わい、香味などが輸出基準に達しているかどうかを
判断します。
9.出荷
生豆を袋詰めして出荷します。麻袋が伝統的。
長時間の輸送に供えてビニール袋と麻袋で二重にする方法や、高品質なコーヒーには真空パックを利用することもあります。
10.消費者の元へ
生産国から船に乗り、1カ月程度をかけて生豆が世界中に届けられます。
ここからは焙煎・粉砕・抽出によって、コーヒーの味わいが決定します。