日本茶・茶葉
番茶とは
日本茶の基本的な主流から外れたお茶である
「番外茶」を総称して「番茶」と呼びます。
茶葉の摘採期や品質、地域などによって、
様々な意味の「番茶」があります。
「日本茶業中央会」では、番茶を次のように定義しています。
「大きい型の煎茶。原料が古葉や硬い新葉で、おおむね扁平(へんぺい)な形をしている。原料が硬化してから摘採して製造するものと、荒茶の仕上げ中に選別されるものと二通りある」
「番茶」の示すお茶の範囲は広いのですが、
大きくは次の4種類に分類されます。
- 「一番茶」摘採後の遅れ芽を摘採したもので、
品質は良好。 ・・・・「一茶番」 - 「三番茶」を摘採せず、
そのまま枝葉を伸ばしたものを
秋に摘採したもので、量的には最も多い。
・・・・「秋冬番茶」 - 「仕上げ加工工程」で、
大きく扁平な葉を切断せずに取り出し、
製品化したもの。 ・・・・「頭」 - 北海道、東北、北陸地方では、
地方語として「ほうじ茶」のこと。
番茶の特徴
番茶にもいろいろな種類がありますので、一概には言えませんが、
実は栄養成分が豊富なのです。
お茶に含まれる旨味成分の「テアニン」という成分は
日光に当たると「カテキン」に変化します。
そのため、
十分に日光に当たった番茶は「カテキン」の量が多くなり、
お茶らしい渋味を感じやすくなります。
「カテキン」はポリフェノールの一種で、高い「抗酸化力」があります。
そのため、老化や生活習慣病を招く
「活性酸素」を除去する働きをしてくれます。
「活性酸素」は、ストレスや不規則な生活、激しい運動、
お酒の飲みすぎ、喫煙などで増えやすくなるので、
忙しい時に「お茶で一息つく」のは、理に適った習慣なのです。
また「カテキン」は、
「抗ウイルス作用」「殺菌作用」「抗菌作用」もあるため、
細菌にもウイルスにも効果があります。
食中毒の原因となる「O-157(腸管出血性大腸菌)」などの食中毒菌や
胃潰瘍や胃がんの原因となる「ピロリ菌」の増殖も抑えるので、
食中毒予防や胃潰瘍予防に働きます。
更に、最近、メディアでも取り上げられている
「ポリサッカライド」と呼ばれる成分が豊富に含まれています。
この「ポリサッカライド」には、
血糖値を下げる効果があることが確認されています。
「番茶」に含まれる「ポリサッカライド」は、
一般的なお茶の何と4.5倍の量が含まれているそうです。
更に、一定量のカテキンを摂取し続けると、
肝臓での脂質代謝が高まり、エネルギー消費が高まるため、
体脂肪を低減する効果も認められているそうです。
緑茶には「カフェイン」が多く含まれているイメージがありますが、
日光を浴びると「カフェイン」が少なくなります。
成長した葉を使う番茶は、日光に当たる時間が長いので、
他の緑茶に比べて「カフェイン」の含有量が少なくなります。
「カテキン」などのお茶の栄養は摂りたいけれど
「カフェイン」は控えたいという方やお子様も
安心して飲めるのが魅力です。
番茶のおいしい淹れ方
番茶は、煎茶などと比べると、お湯の温度は下げず、
熱湯をそのまま注げばいいという簡単さが魅力です。
- 急須に茶葉を入れます。
1人分でティースプーン1杯(およそ2~3g)が目安ですが、
お好みの濃さに調整して下さい。 - ポットから熱湯(約100℃)を急須に注ぎます。
(1人当たり約100cc)
この時、急須を揺らさずに静かに20~30秒待ちましょう。 - 味と水色を均等にするため、少しずつ順に茶碗に注ぎます。
まわしつぎをして、最後の一滴まで注ぎ切りましょう。
番茶を美味しく淹れるためには、大きめの急須が必要です。
番茶の茶葉は通常の煎茶よりも大きいことが多いからです。
また、番茶は煎茶とは異なり、一回に飲む量が多いので、
水を多く入れることが出来る急須を用意しましょう。
番茶を淹れる時は、
熱湯を使ってサッと淹れるのがポイントです。
番茶の茶葉は大きいので、
時間をかけてじっくりとしていると、
葉の中のカテキンが多量に分泌されてしまい、
渋い風味になってしまいます。
番茶のスッキリとした味わいを楽しむのであれば、
熱湯でさっと淹れて、ガブガブと飲むのがおススメです。