日本茶・茶葉
摘採時期によるお茶の種類
茶葉は、産地により1年に2~4回摘採されます。
大体4月下旬頃から摘採される茶葉を
「新茶」または「一番茶」と呼び、
その後、間隔は概ね45日間で、「二番茶」「三番茶」と続きます。
そしてその年の最後の生産時期で、
「秋番茶」「秋冬番」が摘採されます。
[生産時期によるお茶の呼び方]
- 新 茶:当年の春に初めて生産された茶。
- 古 茶:当年以前に生産された茶。
- 春番茶、一番茶、二番茶、三番茶、四番茶、秋番茶
今日の「番茶」は広い意味で使われ、
緑茶の規格に入り切らない、
通常の煎茶とは異なるものを総じて「番茶」と呼びます。
この「番茶」の原料は、仕上げ一番茶や二番茶の
仕上げ工程で寄り分けられた硬葉や古葉、一番茶や
二番茶を摘採した後、次のお茶に備えて整枝した茶葉などです。
[収穫時期による分類]
一番茶 | 二番茶 | 三番茶 | 四番茶・ 秋冬番茶 |
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鹿児島県 |
4月上旬~
5月上旬
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6月上旬~
6月下旬
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7月中旬~
8月上旬
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9月中旬~
10月上旬
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静岡県 |
4月中旬~
5月中旬
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6月中旬~
7月中旬
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7月下旬~
8月上旬
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9月下旬~
10月上旬
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京都府 |
5月上旬~
5月下旬
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6月下旬~
7月上旬
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-
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8月下旬~
9月中旬
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茶摘みの時期による品質の違い
お茶は、茶葉の摘採時期によって味や香りが異なります。
旨味成分である「テアニン」など
アミノ酸類が最も多く含まれるのは
「一番茶」で、「二番茶」「三番茶」の順に減少していきます。
「一番茶」は、数ある茶葉の中でも最高級品に位置付けられ、
昔から縁起物として親しまれてきました。
「二番茶」「三番茶」は味や香りは劣るとはいえ、
身体に優しい成分が凝縮されていますので、
シーンに応じて選んでみるのもおススメです。
茶期別にみたお茶の特徴
新茶・一番茶
~旨味と生産者の思いが詰まった特別なお茶~
生産農家は、前の年から生産計画を立て、枝の剪定や土づくりをします。
お茶は、春先の気温の上昇を受けて萌芽し、
芽は1葉分伸びるのに約1週間というペースで成長します。
萌黄色の芽が伸びるに従い、古葉の濃い緑色が次第に覆われ、
茶畑が明るい色合いに変わります。
一番茶の新芽は特に柔らかい「みる芽」。
冬の間に蓄えられた養分をたくさん吸い、
夏や秋のお茶に比べて旨味成分のアミノ酸を多く含みます。
旨味が多く、香り高く、形が良い、高品質のお茶になります。
玉露、上級煎茶用の茶園では、木に養分を蓄えるため、
二番茶以降を作らないことが一般的です。
二番茶
~たっぷりの日差しを浴びて元気良く育ったお茶~
初夏の強い日差しをたっぷり浴びているので、
葉は大ぶりで茎は太く、全体に硬くしっかりしています。
一番茶に比べると旨味成分の「アミノ酸」は少なく、
渋味成分で抗酸化作用を持つ「カテキン」が増えるので、
渋味をキリッと感じる、さっぱりめお茶になります。
三番茶
どうしても風味が落ちてしまうため、市場に出回る量は少ないです。
ですが最近では、「三番茶」以降は血糖値を抑える効果があると言われ、
その価値が見直されています。
秋冬番茶
秋冬番茶は、秋以降(に摘まれる緑茶を言います。
他の時期に摘みとったお茶に比べて、
「ポリサッカライド」という成分ががあると言われています。
「ポリサッカライド」は多糖類の一種で、
インスリンと同じような働きをして、
血糖値の上昇を抑える効果があると言われています。
ですが、この「ポリサッカライド」は熱に弱く、水に溶けやすいため、
水出しで飲むのがおススメです。