コーヒー豆
アフリカの東部にあるエチオピアは、コーヒー発祥の地と言い伝えられています。
エチオピアに自生していたアラビカ種の「コーヒーノキ」が
紅海対岸のイエメンに持ち込まれ、世界最初のコーヒー栽培が始まりました。
エチオピアの国土の多くをアビシニア高原が占めています。
アビシニア高原は標高が高く、雨量もあり、気温も20℃前後と温暖なため、
コーヒー栽培に最適な環境です。
国民の1割以上がコーヒー産業に関わっているとも言われています。
生産量は世界で第7位の26万t程ですが、アフリカの中では1位で、
生産量の50%が国内で消費されているのも大きな特徴です。
他の生産国とは異なり、コーヒー栽培は植民地時代の遺産ではなく、
標高1500mの高原の半分近くの土地に自生していた
野生、もしくはほぼ野生の「コーヒーノキ」から始まりました。
そしてプランテーションは、大農園はほとんどなく、
生産の90%以上は、70万もの小規模農家によるものです。
アビシニア高原では、野生のコーヒーの木が育つこともあるため、
農園だけでなく野生のコーヒーの木からコーヒーの実を収穫することもあります。
「コーヒーノキ」、アラビカ種の遺伝的多様性が世界一豊かな国です。
複数人でコーヒーを楽しむ「カリオモン」というコーヒー・セレモニーの
風習があるほど、コーヒーが深く風習と関わっています。
エチオピア産のコーヒー=モカコーヒー
エチオピアコーヒーといえば、やはりモカでしょう。
モカは世界最古のコーヒー豆ブランドとも言われています。
モカは爽やかな酸味が特長で、甘味とコクのあるコーヒーです。
焙煎度合いによって、風味が変わるのもモカの魅力。
浅煎りではモカ特有の香りをしっかりと感じられ、
フルーティーな酸味とスッキリとした味わいを楽しめます。
深煎りにすると、チョコレートのような深いフレーバーを堪能出来ます。
コーヒー豆のグレード
(欠点数で格付け)
等級 | 欠点数 | |
G1 | 0~3 | |
G2 | 4~12 | |
G3 | 13~25 | |
G4 | 26~46 | |
G5 | 47~75 | |
G6 | 76~150 | |
G7 | 151~340 | |
G8 | 341以上 |
エチオピアのコーヒー豆はG1~G8まで等級があり、
日本にはG1~G4まで輸入されています。
グレードは欠点豆の混入率によって決まり、
最高グレードのG1は豆300g中で欠点豆が0~3個です。
風味(カッピング点数)や標高によるものではない為、
G2でも美味しいものがあるし、G1も風味に乏しいものもあります。
おすすめのエチオピアコーヒー
モカには、「モカ〇〇」といったブランド名が多いです。
この〇〇は、モカの産地を示しています。
モカシダモ
エチオピアコーヒーの中でも代表的な存在のブランドです。
滑らかな酸味と甘くまろやかな味わいが特長で、フレンチローストなど深煎りの焙煎度合いにすると、コクと苦みを堪能しながら、モカ特有の甘い香りも楽しめます。
「モカシダモ」は他のコーヒー豆のアクセントにもなるので、ブレンドにもおススメ。
モカハラー
標高2,000mの高地で栽培されており、火山灰による恵まれた土質、標高の高さと日当たりの良い斜面、日中の寒暖差など、コーヒーの木の栽培の好条件が揃っています。
「モカハラー」は通常「ロングベリー」に分類されますが、大粒のものは「ボールドグレイン」に分類され、高級品として扱われます。
「ボールドグレイン」に分類される「モカハラー」は、酸味がよりマイルドです。
モカイルガチェフェ
フルーティーで芳醇な香りと甘さが魅力的なブランドです。
コーヒーの苦みが苦手な人でも飲みやすいコーヒーと言われています。
「モカイルガチェフェ」はゆっくりと時間をかけてコーヒーの実を熟します。
時間をかけることで、甘みの強い、美味しいコーヒーの実になるのです。
エチオピアの最上級コーヒー豆で、ヨーロッパを中心に輸出されています。
「モカイルガチェフェ」の産地は、水源が豊富なため、精算処理には水洗式を採用し、丁寧に扱い、清潔に保っています。
また水洗浄は特定の精製工場のみに限定するなど、品質を保ち続ける取り組みも行われています。
ところで、「モカマタリ」というブランドも有名ですが、「モカマタリ」はイエメン産のコーヒー豆です。