St. John's wort(ハーブティー)
「セントジョーンズワート」は北西ヨーロッパの原産で、
今日では北米やアジアの道端でも見かけることが出来ます。
伝説によると、「セントジョーンズワート」は
洗礼者ヨハネが首を落とされた時の
血から生えて来たと言われていて、
それがこのハーブの名前の由来となっています。
古代ギリシャ時代から薬草として使われ、
中世ヨーロッパでは
悪霊を追い払う特性を持っていると信じられていました。
気分を晴れやかにしてくれるため、
欧米などでは、
「ハッピーハーブ」や「サンシャインハーブ」とも呼ばれ、
うつ病や不眠の治療などに用いられてきました。
ハーブティーの特徴
味や香りの特徴
タンニンを比較的多く含むので、
ストレートティーでは渋く、やや飲みづらさを感じるかもしれません。
リラックスの働きをもつハーブと組み合わせたり、
味のしっかりした紅茶などとブレンドすると、飲みやすくなります。
香
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甘みを含んだ複雑な香り |
味
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苦味や渋味のある大地の風味。 |
色
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薄い紅茶のような色
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健康効果
抗うつや鎮静の作用があり、うつ状態や神経の疲労など、
精神面のストレス緩和に用いられます。
季節性の感情障害、月経前症候群(PMS)、
更年期に特有の沈みがちな気分にも有効と言われています。
心に疲れを感じた時、気分がすぐれない時に試したいハーブです。
「セントジョーンズワート」には消炎効果があり、
神経痛や炎症などに対し古くから湿布薬として利用されてきました。
その他、このハーブに含まれる成分が
HIVウィルスの増殖を阻害するとの調査報告もあり、
その抗ウィルス作用が注目されています。
一方で注意も喚起されています。
「セントジョンズワート」をある種の抗うつ剤と併用すると、
抗うつ剤の標的である脳内化学物質セロトニンが増え、
生命を脅かす可能性もあります。
また、ピル、ジゴキシン、一部のHIV薬や抗癌剤などといった、
多くの処方薬の効果を弱めてしまうこともあります。
「セントジョーンズワート」の
妊婦や子供に対する安全性情報はほとんどないため、
妊娠もしくは授乳中、
あるいは子供にサプリメントを与えようと検討している場合は
専門家に相談することが特に大切です。
ティー以外の使用法
温冷シップ
急性の筋肉の炎症や痛み、火傷には
ティーを冷やしてから、
タオルを浸して絞り、患部に当てます。
慢性の関節などの痛みや生理痛には、
ハーブティーを濃いめに淹れて、
ティーが温かい状態で患部に当てます。
ハーブ浸出油(インフューズドオイル・ハーブオイル)
スキンケアや軽度の火傷、湿疹、日焼け、
手荒れ、傷関節の痛み、炎症などに使用します。
(参考:浸出油の作り方)
ハーブチンキ
チンキ剤をお湯や冷水の中に入れて希釈し、
タオルを浸して軽く絞って
日焼けや火傷、にきび、傷などの患部に当てて
利用します。