紅茶を淹れる(British tea culture)
イギリスといえば紅茶。
紅茶がなくては夜も明けない、日も暮れないというのは、
決して誇張ではありません。
1日に平均して4~5杯の紅茶を飲むそうです。
18世紀、後にイギリスの女王として即位した
アン・ステュアート(クイーン・アン在位1702〜1714)は、
美食家であり、大のお茶好きでもあり、朝食には必ず紅茶を飲み、
ロンドンのウィンザー城に茶室を作らせるほどだったと言われます。
女王を真似して茶道具を揃え、日に6〜7回紅茶を飲む習慣が広がりました。
1.アーリー モーニング ティー
朝、起き抜けにベッドで飲ため、「ベッド ティー」とも呼ばれ、
昔は執事に運ばせたり、メイドが女主人に運んだりしましたが、
その後はご主人がベッドの奥さんに愛情表現として運ぶ習慣が出来たりしました。
2.ブレックファスト ティー
朝食の時の紅茶。
英国の朝食(イングリッシュ ブレックファスト)のボリュームの豊かさは
有名であり、紅茶も大きなカップでたっぷり飲まれます。
3.モーニング ティー ブレイク (イレブンジズ)
午前11時頃に紅茶を飲むカジュアルなティータイム。
イレブンジズの紅茶につきものは、ビスケットやバター付きパンです。
仕事に一区切り入れて、小休止、リフレッシュするための紅茶です。
元々は、ヴィクトリア朝にメイド達が仕事の合間に楽しんだティータイムで、
その後、工場やオフィスにもイレブンジズの習慣が導入され、
仕事の士気を挙げたと言われます。
4.ランチティー
イギリス人のランチは大体13時頃。ランチの時も紅茶を頂きます。
朝食はとてもボリュームがあるので、ランチは軽めに摂る人が多いそう。
サンドウィッチとミルクティーというのがランチの定番メニューです。
5.ミッデイ ティー ブレイク
「アフタヌーンティー」とほぼ同じ時間の「午後のおやつ」に当たる紅茶。
「アフタヌーン ティー」ほど気は張らないものです。
職場や家庭で、ビスケットやショートブレッドとともに、
ミルクティーを頂きます。
6.アフタヌーン ティー
女主人が家に知人を招いて開く午後のお茶会。
サンドイッチ、スコーンやお菓子を用意して、優雅に華やかに行われます。
普通「ティー パーティ」とは、この「アフタヌーン ティー」のことを言います。
7.ファイブオクロック
「ハイティー」と同じ時間帯に飲むお茶ですが、
食べ物が軽めの時は「ファイブオクロック」と呼ばれているようです。
仕事が終わった後、観劇などにいく時は、
観劇が終わってからディナーになるので、
観劇の前に、ちょっと軽食と一緒に飲む紅茶のことです。
8.ハイ ティー
午後5時頃から夕食と一緒に飲む紅茶。
農村部や工業地帯あるいはスコットランドやアイルランドなど
地方の労働者階級から始まった習慣です。
ミート類の献立と紅茶が付いた夕食のため、
別名「ミートティー」とも呼ばれました。
スコーンやケーキなどの甘いものの他に、肉や魚・卵などの食事も出され、
夕食とアフタヌーンティーを一緒にしたような、かなりボリュームのあるものでした。
9.アフター ディナー ティー
夕食後、就寝前に、大人が寛ぐ時間に飲む紅茶。
薄めに淹れたり、ハーブやお酒を混ぜたりします。
10.ナイトキャップティー
夕食が終わってベッドに入る前に読書をしたり、日記を書いたり、
ゆったり寛いで飲む一紅茶のことで、「ナイトティー」とも言います。
寝る前に紅茶を飲むと、体が温まるのでよく眠れるそうです。
快適な眠りにつくために、
香りの良いリキュールやブランデーを少し落として飲まれることもあります。