日本茶・茶葉
「ゆたかみどり」は「早生種」で、煎茶として飲まれています。
耐寒性に弱いですが、収量は全茶期を通じて多く、
被覆を行い、蒸しを強くするため、
濃厚で豊かな旨味と、緑の色合いが美しく、
まろやかな甘みを持った品種です。
静岡生まれ、鹿児島育ち
「ゆたかみどり」は、
現在、茶葉の主力品種「やぶきた」に次いで、
全国で2番目に栽培面積の大きい品種になっています。
元々、静岡県の茶業試験場で実験的に育てられていた
収穫量は多いものの霜に弱い品種を
温暖の地・鹿児島で栽培したのが始まりです。
そしてこの品種は、
昭和41(1966)年に「ゆたかみどり」と命名され、
現在、95%が鹿児島県で栽培されています。
ゆたかみどりの特徴
早生種
一般的に、新茶が摘まれるのは「八十八夜」です。
しかし、「早生種」の「ゆたかみどり」が摘まれるのは「七十七夜」。
走り新茶として、4月末には全国に先駆けて流通されます。
寒さに弱い
耐寒性が弱いため、晩霜害を受けやすいです。
そのため、寒い地域での栽培には適さず、
温暖で霜の害を受けない地域で栽培する必要があります。
被覆栽培
「ゆたかみどり」は、渋味を減少させ、
美しい濃緑の水色を生み出すために、
収穫1週間前くらいから、
日光を遮るために黒い覆いを被せて栽培するのが一般的です。
深蒸し
「ゆたかみどり」は、
収穫した生茶葉の「蒸し」の時間を1分から3分程度と長くしています。
その長い蒸し時間によって、
茶葉からの滲出成分が通常の煎茶より多くなり、
濃くまろやかな味わいとなっています。