日本茶
硬度
昔からお茶に合う水は「軟水」だと言われてきました。
水1ℓ中に溶けているカルシウムとマグネシウムの量を
表わした数値を「硬度」と言います。
そしてWHO(世界保健機関)の基準では、
硬度が120mg/l以下を「軟水」、
硬度が120mg/l以上を「硬水」と言います。
簡単に言うと、
カルシウムとマグネシウムが比較的多く含まれる水が
「硬水」になります。
硬度 =(カルシウム量 [mg/ℓ]×2.5)
+
(マグネシウム量[mg/ℓ]×4)
- 軟水・・・・・・硬度 0~ 10㎎/ℓ
- 中程度の軟水・・硬度 60~120㎎/ℓ
- 硬水・・・・・・硬度 120~180㎎/ℓ
- 非常な硬水・・・硬度 180 ㎎/ℓ以上
なお、日本の水はほとんどが軟水です。
日本茶に合う水
日本茶には「軟水」が適しています。
軟水でお茶を入れると、茶の成分がよく抽出され、
旨味、渋味、苦味がバランスよく出て、
日本茶本来の味を引き出すことが出来ます。
硬度が低過ぎる(10以下)と、
苦渋味を強く感じるようになり、日本茶には適さなくなります。
一方、硬度が高過ぎると、
味は淡白になり、水色は無色に近くなります。
日本茶には、硬度50~80程度の水が適しているようです。
但し、硬度300程度のヨーロッパ産のミネラルウォターも日本の緑茶に適しているものがあります。
茶から出てきたシュウ酸が水の中のカルシウムと結合し、
渋味がなくなり、まろやかな味に変わって飲みやすくなるのです。
水を替えてお茶を味わうのも日本茶の楽しみ方のひとつです。
紅茶も軟水がよく、300程度の硬水だと水色が暗色になります。
ウーロン茶は比較的水の影響は受けにくいようです。
いずれにしろ日本の水は各種のお茶に相性がよいと言えます。
日本の水道水
美味しい水と言えば、
「名水百選」を思い浮かべる人も多いでしょう。
日本の水道水は軟水から中程度の軟水なので、
日本茶に適しています。
東京の水は美味しくなったと言われるように、
近年、全国の都会の水道水は
高度浄水処理により浄水性能が向上しています。
但し、日本の水道水はカルキ消毒されていますので、
美味しいお茶を淹れるにはカルキ臭を抜くことが必要です。
水道水は必ず2~3分沸騰させてから使って下さい。
沸騰は炭酸ガスを抜いて茶の葉が浮くのを防ぐ働きもあります。
浄水器を使う場合や市販のミネラルウオーターを使用される場合も、
一度沸騰させてから使うのがおすすめです。
4~5時間汲み置きしておいても、カルキを抜くことができます。
美味しい水って?
「名水百選」は、
昭和60(1985)年に環境庁水質保全局が制定したものです。
平成20(2008)年に
新たに「平成の名水100選」として100箇所が加わっています。
百名水のほとんどが、
雨水が地下に浸透して数年から数十年を経たものです。
他にも
- 適度なミネラル分を含む
- 酸素や炭酸ガスが溶け込んでいる
- 水温が低い
- 余分な有機物が含まれていない
といった特徴があります。