紅茶の産地(Production areas)
世界の主要茶生産国は、
インド、スリランカ、ケニア、China(緑茶、半発酵茶がほとんど)、
インドネシアの5か国で、およそ世界の80%弱を占めています。
品質のよい紅茶が生産される茶園の条件としては、
インド北東部のダージリン地区を例外として、
熱帯、または亜熱帯地域の比較的高地で、
自然の霧が発生しやすい気候条件の地帯に集中しています。
この地帯は「ティーベルト」と言われています。
この他、
東欧グルジア共和国からアルゼンチンまで分布しており、
茶の栽培は、現在30か国以上となり
年間400万t以上の生産量になります。
世界の茶 生産量 国別ランキング <2019年>
順位 国名1. China2. インド3. ケニア4. スリランカ5. ベトナム6. トルコ7. インドネシア8. ミャンマー9. イラン10. バングラデシュ11. アルゼンチン12. 日本13. ウガンダ14. タンザニア15. タイ16. マラウイ17. モザンビーク18. ルワンダ19. ネパール20. 台湾
インド
茶産地は、
北東インド、北西インド、南インドの3地域に大別出来、
北東の「ダージリン」、
北西の「アッサム」、
南インドの「ニルギリ」が有名です。
「ダージリン」は
ヒマラヤ山脈の麓、標高2000mまでの急峻な斜面に
茶園が開かれています。
「アッサム」は広大な平坦地で、
気象条件に恵まれた世界最大の紅茶産地です。
日陰樹(シェードツリー)と呼ばれる高い木が枝を広げ、
茶樹を覆っています。
「ニルギリ」は
インド大陸の南端近くにある1200~1800mの丘陵地です。
ケニア
ケニアは、赤道直下の高原の国で、
紅茶作りの歴史は短いのですが、
茶栽培に適した自然環境、広大で肥沃な土地、
豊富な労働力などによって紅茶大国に成長しました。
スリランカ
茶園は島の南寄りの山地にあり、
製茶工場の標高によって
「高地産」「中地産」「低地産」に分けられます。
山の東側は、
1~3月が雨期で紅茶生産は中断し、
7~8月が乾期で良質の紅茶の出来る「クオリティシーズン」です。
反対に山の西側は、
5~9月が雨期で、1~3月が「クオリティシーズン」です。
インドネシア
オランダ人によって開発された歴史のある紅茶生産国です。
スマトラ島北部とジャワ島西部の高原が生産の中心で、
セイロン紅茶に似た製品が出来ます。
トルコ
トルコは黒海沿岸部の東側に産地があります。
生産の大部分は国内で消費されます。
バングラデシュ
アッサム茶産地に隣接した低い平坦地に茶園があり、
品質はアッサム茶とよく似ています。
日本
明治の始まりから全国で始まった国産紅茶の生産は、
昭和46(1971)年の「紅茶の自由化」とともに
ほぼ完全に姿を消しました。
ですが、昨今の紅茶生産の機運の高まりにより、
全国約400茶園120t程の生産が確認されています。