コーヒー/歴史
アラビカ説「イスラムの僧・オマール」
13世紀のイエメンでのこと。
アラビアのモカ(現:イエメン)の
守護聖人シーク・スシャデリの弟子シーク・オマールは、
モカで祈祷師として人気を集めていました。
ある日、モカ王の娘の病気を祈祷で癒した時、オマールはこの娘に恋をしてしまい、
これが王に発覚。オマールはオウサブという地に追放されてしまいます。
オマールは、この山中で素晴しい羽根をもった小鳥が小枝に止まり
陽気にさえずるのを見つけました。
その鳴き声があまりに美しかったので思わず手を伸ばすと、
木の枝々には花と果実があるだけでした。
空腹だったオマールはこの果実を摘み取って洞窟に持ち帰り、
スープを作ってみようと思いました。
その果実からは素晴しく香りのよい飲み物が出来、
飲んで見ると元気が出たような気がしました。
それがコーヒーでした。
一方、オマールを追い出した町では、病気が猛威を振るっていました。
以前オマールの祈祷によって助けられたことを思い出した人々は、
すがるように山に入り、助けを求めます。
町の惨状を深く悲しんだオマールは、祈りを捧げるとともに、
不思議な力を与えてくれた赤い実の煮汁を皆に与えました。
そして人々の命と町を救ったのです。
この町が後にコーヒー豆の積み出し港となり、
豆の名前としても有名な「モカ」の町で、コーヒーの発祥地とも言われています。