紅茶(Manufacturing process)>
紅茶の製法には、
「オーソドックス製法」と「アンオーソドックス製法」と
呼ばれるものがあります。
更に「アンオーソドックス製法」の代表的なものとして
「CTC製法」があります。
オーソドックス製法
人手による伝統的な製法を機械で忠実に再現した製法で、
主にリーフティーの製造に使われます。
1.摘採(てきさい)
茶園の中で一定のレベルに成長した木から、
その新芽とその下の2枚の若葉を丁寧に手摘みしていきます。
これを「一芯二葉摘み」と言います。
摘み取った生葉はそのまま工場に運ばれます。
2.萎凋(いちょう)
工場に運ばれた生葉を大きな網の上に広げ下から温風を送って
萎れさせます。
萎れさせることによって葉が柔らかくなり、
次の揉捻工程がやりやすくなります。
この工程で、葉の水分が40%程蒸発します。
葉がしんなり柔らかくなると同時に
葉の内部では成分の変化が始まります。
3.揉捻(じゅうねん)
葉を揉みこんでいきます。
葉に圧力をかけて揉む事で
葉の細胞組織が壊れて、酸化酵素を含む茶汁が空気に触れ、
酸化発酵が進み、緑の葉が茶色がかった色に変化していきます。
また、揉捻機にかけることで、葉の形も整えていきます。
4.玉解き・篩い分け(ふるいわけ)
揉捻した後の茶葉は固まりになっている為、
この固まりをほぐします。
こうすることで、発酵が均一に進んでいきます。
5.醗酵(はっこう)
20~25℃の室温と90%程度の高湿度の中に
2時間~4時間程寝かせます。
この工程で酸化酵素の働きが一気に進み、
茶葉は鮮やかな赤褐色に変わり、
紅茶独特の甘い香りを放つようになります。
6.乾燥
発酵が終わったら、
100℃前後の熱風で水分3~4%になるまで乾燥させ、
「酸化発酵」を完全に止めます。
茶葉は乾いて濃い茶褐色となり、貯蔵や輸送に耐えられる状態になります。
この段階で出来たものを「荒茶(あらちゃ)」と呼びます。
7.クリーニング
出来上がった「荒茶(あらちゃ)」の中に混入している異物を、
静電気選別や風力選別にて取り除きます。
8.等級区分
荒茶を篩いにかけ、
メッシュの大きさによって、形やサイズを揃えていきます。
ここでの等級区分は、
それぞれの茶葉の大きさや外観を表すだけで、
品質の区分ではありません。
セミオーソドックス製法
「オーソドックス製法」による揉捻工程の後に、
葉を切断するローターバンという機械に通すことにより、
「オーソドックス製法」に近い香りと味わいを生かしながら、
より短時間で抽出出来ます。
スリランカの標高が約1200m以上の高地であるハイグロウンを始め、
各産地で行われている製法です。
CTC製法
CTC機を使って、茶葉を製造加工する製法。
CTCとは、
Crush(押し潰す)、Tear(引き裂く)、Curl(粒状にまるめる)の略です。
現在世界で最も生産量が多い製法で、
より短時間で抽出する目的で開発されました。
主にティーバッグの製造に使われます。